よくある質問 1

Q 私は、業者から「必ず儲かる」とか「~円まで必ず上がるから今が買い時だ」等と言われて金融商品を購入させられました。このような場合、相手方業者を訴えることができますか。

A 「必ず儲かる」とか「~円まで必ず上がる」といった勧誘文句は、断定的判断の提供に該当して違法行為です。しかしながら、業者が断定的判断の提供を行ったことを認めることはまずあり得ないので、訴える方の顧客側で立証する必要があります。
断定的判断の提供を立証する手段としてまず考えられるのが、業者側担当者と顧客との間の会話録音テープです。
よって顧客側が業者を訴える場合には、まず業者との会話を録取する必要があります。
また最近は、先物業者も証券会社も顧客との会話を録音することが一般に行われていますので、業者に存在する録音テープを証拠保全によって事前に確保することも有効です。
証拠保全は専門家でなければ難しいのでご相談下さい。

よくある質問 2

Q ある弁護士に委任して裁判を提起したのですが、その弁護士は金融取引には全く詳しくなく、訴訟活動も私の意向を反映したものではありません。途中で弁護士を代えたいと思っているのですが、どうでしょうか。

A 一般的に裁判の途中で弁護士を代えることには色々と難しい問題があります。
まず新しく選任した弁護士にこれまでの経過を把握してもらう必要がありますが、裁判がある程度進んだ段階でそれまでの経過を把握してもらうには時間と労力がかかります。
またそれまでの弁護士との間で辞任ないし解任といった作業が必要なので依頼者に心理的な負担があります。
しかしながら、金融取引を巡る裁判には同種事件の経験と専門的な知識が必要なので、そのような経験と知識が殆どない弁護士に委任してしまい、訴訟活動にも満足できない場合は、むしろ弁護士を代えるべきです。
そして代える場合は、なるべく早い段階の方が良いでしょう。
一審で敗訴判決が下された後に控訴審から別の弁護士に委任するとなると、一審の敗訴判決を覆さなければならないという点において高いハードルを課されますし、控訴審でも敗訴判決を下された後に上告審で別の弁護士に委任しても、上告審は事実認定に対する不服申立てが許されていないので、新たにできることが極めて限られてしまいます。

よくある質問 3

Q ある大手証券会社に勧められたデリバティブ商品で多額の損失を被りました。現在、相談に乗ってもらっている弁護士は商品先物取引の被害者側で多数の案件を解決した実績のある弁護士ですが、その弁護士に委任すべきでしょうか。

A 商品先物取引とデリバティブ取引では、同じ金融商品といっても内容が大きく異なります。
デリバティブ商品を巡る裁判では、その商品の内容の分析が必須不可欠です。
そしてデリバティブ商品の内容の分析には、オプションやスワップといったデリバティブの専門的な知識が必要なので、その種の専門的な知識を有する弁護士か、金融機関でデリバティブを取り扱っていた経験のある専門家の協力を仰げるような弁護士に委任すべきでしょう。

よくある質問 4

Q 前の裁判では敗訴判決が確定してしまったのですが、その後、裁判で提出された証拠が偽造証拠であることが判明しました。もう一度、裁判を起こしたいと思っているのですが、可能でしょうか。

A 確定した判決には「既判力」という拘束力があり、前の裁判で主張した内容をもう一度蒸し返すことは原則として認められません。
しかしながら、判決の証拠となった文書が偽造証拠であることが判明し、かつその点について有罪判決が確定したような場合は再審の訴えが可能です。
また再審事由のような重大な瑕疵が存在することが判明した場合、再審の訴えによることなく不法行為を理由として損害賠償請求を行うことを認めた判決例もあります(神戸地判昭和43・11・30)。

よくある質問 5

Q 証券会社の顧問弁護士を務めている以上、証券会社を相手とした裁判の代理人になってもらうことはできないのでしょうか。

A 当事務所では、証券会社の顧問弁護士を務める一方で、顧客側の委任案件も多数受任しています。
ただし顧問先証券会社や、現在、委任案件を受任している証券会社に対する案件は受任できませんので、その点は事前に確認させていただきます。

よくある質問 6

Q 商品先物取引で被害を受けたのですが、業者が廃業してしまいました。このような場合はあきらめるしかないのでしょうか。

A 廃業しても会社自体が存在するのであれば損害賠償請求は可能です。
また廃業しても別会社が吸収して業務を継続している場合もあるので、その場合は吸収した会社を相手に訴えることが可能です。
さらに業者の役員担当者個人を相手に訴えるという方法もあります。

よくある質問 7

Q 将来有望な未上場企業に投資する内容のファンドに出資したのですが、投資した先の企業が破綻して出資金が戻ってこなくなってしまいました。このような場合、出資金を取り戻すことは可能でしょうか。

A 平成19年9月の金融商品取引法の施行により、形式いかんに関わらず、特定の目的に出資する内容のファンドの勧誘は内閣総理大臣の登録なくして行うことはできなくなりました。
よって登録のない業者からの勧誘は違法なので損害賠償請求を行うことが可能です。
また比較的登録の取り易い第二種金融商品取引業の登録業者が不特定多数の一般投資家にファンドの勧誘を行うことも違法なので損害賠償請求を行うことが可能です。