金融機関側は顧客との間で取引上のトラブルが発生すると、担当者を変える、担当者を異動させる等といった方法を取ります。また、支店に担当者がいるにもかかわらず、電話をかけても担当者が出ない、支店を訪問しても担当者と会わせてくれないといったこともままあります

要するに、金融機関側は、将来、法的な紛争に発展する可能性がある顧客と担当者とを直接接触させないようにするのです。なぜ、金融機関側がそのような対応を取るのかというと、顧客と担当者が直接接触すると、担当者が顧客の言い分を認めてしまい、それが電話録音や念書のような形に残ってしまうことを避けたいからなのです

このように、顧客が何か取引上のクレームを述べようとすると、担当者を変えられる等して直接事実関係を確認することが難しくなります。金融機関側は、相談窓口のような部署を紹介しますが、そこにクレームを述べても決まりきった回答しか返ってこないことが一般です。

以上によれば、顧客側が自分の言い分を通すために金融機関側にクレームを申し入れても殆ど効果はなく、むしろ担当者と直接接触できなくなってしまい、かえって事態をややこしくしてしまいます。さらに、顧客が自分の言い分を書面(手紙など)にして金融機関側に提出することがよくあるのですが、法律の素人である顧客が専門家に相談もしないで提出した書面が、あとで訴訟において不利な証拠として扱われることがあることを肝に銘じるべきです

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