仕組債問題がようやく落ち着いてきたと思っていたところ、今度は個別株オプションの売り取引を証券会社にやらされて多額の損失を被った件の相談を受けるようになりました。
オプションの売り取引は「利益限定損失無限定」のハイリスク取引ですが、そのようなハイリスク性の認識・理解がないまま、最初に貰えるオプション料(せいぜい100~200万円)に釣られてハイリスクなオプションの売り取引を店頭取引(取引所での売買ではなく証券会社との売買)で行い、証券会社から権利行使されて多額の損失(数千万円単位)を被っています。
「オプション」とは、「権利」を意味し、原資産(個別株オプションの場合は個別株)を一定の期日(権利行使期日)に一定の価格(権利行使価格)で買う(コールオプション)又は売る(プットオプション)ことができる権利を指し、この「オプション」を売買するのがオプション取引です。オプション取引には、オプションを買う方と売る方がいますが、顧客がオプションを買っている例は皆無であり、全てオプションを売らされ、証券会社が買い方になっています。オプションを売っている方は最初にオプション料を貰えますが、その対価としてリスクを引き受けることになります。このリスクは権利行使期日(遠い将来の方がリスクが高い)や権利行使価格(当初価格に近いほどリスクが高い)、個別株のボラティリティ(変動率)によって決まりますが、そのようなオプションの売り取引の基本的な仕組みやハイリスク性を全く理解せずに行うことは極めて危険です。しかし、実際には、そのようなオプションの売り取引の基本的な仕組みやハイリスク性を全く理解せずに、オプション料をお小遣いのように貰える取引といった誤った認識・理解で取引させられています。
こうしたオプションの売り取引のハイリスク性について、解説動画を公開いたしましたので、本記事とあわせてご参照ください。